私がうつ病になったのが確か28歳の頃だったと思います。夜会社で働いていたのですが、なんの前触れも無く背中がゾクゾクしてきて不安というかどちらかと言うと恐怖が襲ってきました、その日は仕事が終わり帰る間際だったので、そのまま帰宅しましたがゾクゾクが止まらないのでお風呂に入り寝ることにしました。
翌朝も恐怖は消えることがなく、不安でしょうがないので無理を言って会社を休み病院へ行きました。病院に来たはいいけど病院の先生になんだか怖いんですって最初言えません出した。
こんな症状を伝えたところで「何言ってるんですか?」と言われそうで、しかもこんな病気聞いたこともなかったので、病気だ!とも思いませんでした。
なので気持ちが悪いんですと言って最初見てもらったのですが、恐怖が顔に出ていたらしく診察の最後に「他に何かないの?」って聞かれて、やっと「実は昨日から理由はないんですが恐怖に襲われています」と言ってみたら、じゃあそういうのに効く薬を出しますね!と言ってもらって
えっ!!そんな薬あるの?助かったぁ!
これがうつ病の始まりでした。
それから10年くらい効いてるのかわからない薬を飲みなが地獄のような生活を続けました。
そんなこんなしていた時に、認知行動療法と出会い、1年間病院に月一で通いカウンセリングを受けました。内容的には当時困っていた症状、私の場合は外食が出来なくなっていたのでそれの改善をお願いしました。
内容は
1, 負の連鎖を断ち切る
2, 症状を俯瞰で見る
3, ゴールへの10ステップ
4, ショック療法
です。
1, 負の連鎖を断ち切る
症状が出るまでのステップを思い出してみる。
例えば食べ物を見る
↓
また気持ち悪くなるんじゃないかと思う
↓
喉の締め付けられるような感覚
↓
胃に意識が集中してしまう
↓
吐いてしまうんじゃないかという恐怖に襲われる
このようなステップだとするとステップの途中で意識的に違うことを考えて気を紛らわします。
食べ物を見た後に、また気持ちが悪くなるんじゃないか、といつもなら思うところを、
具材はなんだろう?
色合いは何種類あるかなぁ?
熱いかなあ?
または一緒に来ている人の話に集中する
などなど、なんでもいいので気をそらして負のループから抜け出してみる。
私のオススメはサーフィンのイメトレです。私はバックサイドのボトムターンからリッピングをいつもイメージしていました。
2,症状を俯瞰で見る
これは他人の目線で物事を見るでもいいと思うのですが、もしご飯屋さんで吐いてしまったお客さんを見かけたら自分ならどう思うか?を考えて見る。
大丈夫かなぁ?
かわいそうだなぁ!
とかそんなことが思い浮かびます。
あまりネガティブな感情はわかないのかなぁ!と思うのです、もし自分がその立場になっても周りの人もそこまでネガティブな感情にはならないのかなぁ?
と思うと気が楽になってきて、症状も改善して来ます。
3、 ゴールへの10ステップ
私は何も食べられない状態、飲み物は少し飲めるような状態からカウンセリングを始めました、なので柔らかいものから初めて行き最後はステーキをレストランで食べるがゴールになりました。
1, ゼリー
2, プリン
3, シュークリーム
4, パン
5, サンドイッチ
6, おにぎり
7, 唐揚げ
8, ハンバーグ
9, チキンステーキ
10, ビーフステーキ
という順番でゆっくりゆっくり難易度を上げて行きながら一段一段成功体験を積み重ねながら乗り越えて行きました。
成功体験と何気なく書きましたがこれが凄く凄く凄く大事になって来ます。
今は大好物がステーキです。
4,ショック療法
このやり方は一人では出来ないのですが、誰かにショックを与えてもらいましょう。
やり方としてはドッキリと一緒で前触れも無く突然、自分のいるステージより上の物を食べるです。
たしか2回目のセッションの時カウンセリングの先生に実は今日おにぎりを持って来ました、と言われて食べさせられました。その時は頭が真っ白になりましたが頑張って、自分的には死ぬ気で食べました。すると、ゼリーやプリンはすぐに食べられるようになって一気にステップアップ出来ました。
奥さんにもショック療法されたのですが、外食できないのにハワイ旅行に行きました。ハワイの空港が見えた時ハワイで死ぬかもしれないと本気で思いましたが、ちゃんと死なない程度に食事を取って帰ってこられました。
奥さんがしっかりサポートしてくれて色々考えてくれたおかげで乗り越えられました。
命の恩人だと本気で思っています。
まとめ
小さい一歩を確実に前に進めて1ミリでも前に進めて、でもたまには立ち止まったり、後戻りしてしまうことも正直あります、ありますが諦めずに前を向いて前だけを目指して行けばうつ病は必ず良い方向に向かっていくと私は信じています。楽ではありませんでした、ですが今思えばあの時頑張って本当によかったと思っています。
鬱が治ったほんの一例ですが、もし誰かの参考になれば幸いです。
最後に一言。
「人生変わったよ」
では、さようなら